
「ブラック企業に転職したくない」
「ブラック企業の見分け方はないの?」
このような悩みはないでしょうか。
結論からいうと、ブラック企業の見分け方は「情報収集」と「直感」が大切です。
私はブラック企業へ転職した経験を持つ30代の会社員です。
実際に入社してみなければわからないことが多いですが、ブラック企業には共通点があります。
転職を失敗した経験からブラック企業を見分ける方法について解説していきます。

私のように辛い思いをしてほしくないので、参考にして頂けたら幸いです。
目次
「ブラック企業」の定義と共通点
「ブラック企業」の定義は厚生労働省で明確に定義されていません。
以下のような特徴がある企業を「ブラック企業」と呼んでいます。
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 企業全体のコンプライアンスが低い (パワーハラスメントの横行、サービス残業の強要など)
- 労働者に対し過度の選別を行う(労働者を差別・仕事を与えないなど)
「ブラック企業」と呼ばれるヤバい会社の共通点
ブラック企業と呼ばれる会社は、コンプライアンスへの意識が低いことが考えられます。
コンプライアンスとは? ・・・ 社会規範・企業倫理を守ること。法令遵守。
昨今では従業員へコンプライアンスの意識を高める取り組みとして、「ハラスメント研修」「コンプライアンス研修」が多く実施されています。
ブラック企業は社長や経営者が利益重視の考え方で、コンプライアンスの重要性を理解していない可能性があります。
コンプライアンスを重要視していない企業では、従業員への配慮が欠け働きにくい労働環境になっていると考えます。
具体的にブラック企業の共通点を見ていきましょう。
〈ブラック企業に見られる共通点〉
- 残業や休日出勤が多い
- 職場内で日常的に怒鳴り声が聞こえる
- サービス残業を強要される
- 年間休日が少ない
- 休日出勤しても代休を取らせてもらえない
- 達成困難な納期やノルマを課せられる
- ハラスメントが横行している
- 有給休暇が取れない
- 離職率が高い
- 自腹購入がある
- 業務外のイベントに強制参加させられる
いづれの項目も従業員を育てる考えがない、労働力としてしか見ていないことがわかります。
ブラック企業の共通点を見て、自分の働いている職場に当てはまる項目がないか確認してみましょう。

私が勤務していたブラック企業はこの項目にほぼ該当します。
このような会社からはいち早く逃げることを考えましょう。
【求人票】ブラック企業と呼ばれるやばい会社の見分け方
求人情報から以下の特徴が該当する場合は、ブラック企業の可能性が高いので注意が必要です。
〈ブラック企業の求人情報〉
- 同業種の中で給料が明らかに高い
- 年間休日が105日前後
- 固定残業代や裁量労働制を採用している
- 抽象的な言葉が使用されている
- 未経験者・無資格歓迎
同業種の中で給料が明らかに高い
同業種の相場より極端に給与が高い求人は注意が必要です。
給与が高い求人は魅力的に見えますが、報酬を高くしている理由はいくつか考えられます。
私が勤めていた製造工場のブラック企業の事例になります。
〈製造業で給料が高い場合の例〉
「仕事の量が多い」 ・・・ 2人で担当する製造ラインを1人で任され業務量が増える
「残業・休日出勤が当たり前 」・・・基本給は低いが残業代や休出手当を含めた金額を提示している
「離職率が高い」 ・・・辞めていく人が多いため高い報酬で人集めしている
高い給料だけを目的として能力に見合わない人が集まる傾向があるので、責任の押し付け合いになることも考えられます。

高い報酬をもらうことだけが目的の人たちは、
それなりの仕事しかせず、責任も取らないので注意してください。
「固定残業代」や「みなし残業代」を採用している
みなし残業以上に働かせて、その分の残業代を払わないブラック企業があるので注意が必要です。
「固定残業代」や「みなし残業代」とは、月に残業する時間を想定し、基本給に加算する考え方です。
想定する時間は会社ごとに異なりますが、決められた時間以上働いた場合に追加で手当てが発生するか確認しましょう。

残業ありきの働き方になるので、定時で帰れないことは覚悟した方が良いです。
年間休日が105日前後
年間休日が105日前後の企業は、休める余裕がないほど忙しいと言えます。
労働基準法で年間休日を105日以上にする決まりはありませんが、1日8時間労働の場合は労働基準法ギリギリの働き方です。
祝日や長期休暇が取れる年間休日の目安は、120日以上、125日以上であり、この場合はホワイト企業に分類されるでしょう。
抽象的な表現が記載されている
会社紹介の特徴で「アットホームな職場」「やりがいのある職場」など、抽象的な言葉が使われている場合はブラック企業の可能性が高いです。
「アットホーム」= 仲間意識が強く、自分の意見を抑えてでも周りの意見に従わなければらない
「やりがいのある職場」=1から10まで自分で仕事をする必要がある
すべての企業に当てはまるわけではないですが、会社の魅力的な特徴がなくありきたりな表現を使っているケースもあります。
未経験者歓迎・無資格歓迎
未経験者歓迎・無資格歓迎の記載がある求人は、猫の手も借りたいほど人手不足の場合が多いです。
3ヶ月以上募集している場合は以下の理由が考えられるので、見極めが必要です。
- 事業を拡大し成長している会社
- 人が集まる魅力がない
- 採用するが人がすぐに辞めてしまう
求人情報だけでは得られる情報が限られるので、求人募集の背景を転職のプロに相談することをおすすめします。
【情報収集】 ブラック企業と呼ばれるやばい会社の見分け方
企業分析は求人票以外から情報収集を行うことも重要です。
求人票に記載がない情報を得られるので、ブラック企業を見分ける手がかりになります。
〈情報収集の方法〉
- 企業の口コミをみる
- 就職四季報をみる
- ブラック企業リストをみる
企業の口コミをみる
口コミサイトから企業の内部情報を入手できます。
実際に働いていた元従業員や現役の従業員が口コミサイトに投稿しているので、ブラック企業を見分けるための参考情報です。
会員登録なしで一部の情報は見れますが、詳しく見れる会員登録(無料)をおすすめします。
口コミサイト | 特徴 |
転職会議 | ・300万件以上の転職口コミを掲載 ・17万件以上の求人情報を掲載 ・会員数700万人以上 |
enライトハウス | ・2000万件以上の社員・元社員による口コミを掲載 ・独自の指標で会社の特徴を可視化しているため、会社の研究や比較がスマート ・気になった会社をフォローすれば、新着情報をリアルタイムに見れる |
openwork | ・1370万人の社員口コミや評価スコアが見れる ・8つの評価スコアで、企業全体のバランスがわかる ・企業の年収推移や年収範囲がわかる |

口コミ情報がすべて正しいとは限らないので、参考情報と捉えましょう。
ブラック企業リストをみる
各都道府県労働局が公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」でブラック企業がリスト化されています。
1年間に労働基準関係法令違反の疑いで、労働局が実際に送検した企業が毎年公表されます。
- 企業・事業場名称
- 所在地
- 公表日
- 違反法条
- 事案概要
明るみになっていないブラック企業はリストに載っていませんが、参考になる情報なので確認しておきましょう。
【面接・企業訪問】ブラック企業と呼ばれるやばい会社の見分け方
面接や企業訪問で会社の方や職場の雰囲気を肌で感じ、「直感」でブラック企業を見分けることが大切です。
求人票で見栄えよく偽装しているブラック企業でも、「面接官の態度」「従業員の表情」から職場環境が想像できるのでよく観察しましょう。
- 面接官が自分の話しかしない
- 従業員の顔がイキイキしているか
- 内定を承諾するまでの期間が短い

私が勤務したブラック企業との面接をもとに解説します。
面接官が自分の話しかしない
面接官が一般的な質問をせず、自分の話しかしない場合は注意が必要です。
相手の立場や状況を考えない態度の面接官は、仕事でも自分の都合のいいように解釈する人だったからです。
面接は和やかな雰囲気でしたが、一般的に聞かれる「志望動機」「自己PR」などの質問は一切聞かれませんでした。
「自分は未経験で入社した」「簡単な仕事だから誰でもできる」など面接官の話が中心です。
この方による叱責やパワハラが横行している会社だと入社後にわかりました。
直感で感じる違和感は危険なサインかもしれないので、面接官の表情や態度を良く観察しましょう。

人の第一印象は3秒で決まるとも言われていますので、直感を大切にしてください。
従業員の顔がイキイキしているか
従業員の表情が「疲れきっている・暗い」、態度が「横暴・無愛想」である場合は注意が必要です。
人間関係が良好でなく、職場環境の悪さが原因の可能性があります。
面接や会社訪問で多くの人に会える機会は少ないと思いますが、「会場まで案内してくれる方」「廊下ですれ違う方」の表情や態度を見ることがポイントです。
内定を承諾するまでの期間が短い
内定後に、承諾する期間を短くする企業はブラック企業である可能が高いので注意が必要です。
人手不足に陥っており、内定を辞退させないようにプレッシャーをかけている場合があります。
私は内定承諾までの期間を意識していませんでしたが、内定通知をもらった3日後が回答納期とされていました。
当時は前職を辞めることで頭がいっぱいで気が回りませんでしたが、焦りは禁物です。
求人票や口コミ、面接の様子からブラック企業の共通点に当てはまる項目はないか、もう一度確認してみましょう。
まとめ:ブラック企業の見分け方は情報収集と直感が大切です
ブラック企業の見分け方は「情報収集」と「直感」が大切です。
企業分析を徹底的に行うことでブラック企業の傾向は掴めると思いますが、求人票を上手く見せている場合や口コミが少ないブラック企業は多数存在します。
そこで大切なことは実際に企業方と会った時に感じる「直感」です。
少しでも違和感を感じた場合は無理をせずに、理想な転職先を見つけましょう。